2.カカドゥ

 

5月28日(金)

 

「朝6時半の待ち合わせに寝坊してはいけない」と思いながら寝ていたら、深夜の1時ごろから何回も目を覚ましてしまった。携帯電話の目覚まし機能も、AM5:30にセットしておいたら、きちんと作動していた。

 

洗顔、荷造り、朝食、チェックアウトを素早く済ませて、ホステル前の道路でツアーの車を待つ。遅れること10分で車が到着。16人乗りの4輪駆動車は既に殆ど満席。車は一旦アドベンチュアー・ツアーの事務所によって、国立公園の入場料や、寝袋のレンタル料等、追加の支払いを済ませる事に。

 

事務手続きが終了して外に出ると、日本語の会話が聞えてきた。「日本の方ですか?」「そうです」「日本のどちらですか?」「実は私たち3人は、職場は夫々違いますが、シンガポールで仕事をしています。休暇を取って旅行に来ました」「シンガポールでの仕事は如何ですか」「海外で仕事をしたくてやってきたのですが、給料はうんと減りました。仕事の内容は日本より少し楽かな」と言う。

 

「うちの娘も、海外で仕事をしたいと言っているので、何処に行っても楽な仕事は無いよ、と言っている所です」と言うと、皆頷いていた。旅行先は2泊3日のカカドゥ(Kakaduツアーと言っていたから、同じツアーなのかなと思っていたが、その後は別々であった。

 

AM7:30、事務所を出発。デンマーク人6人(3人の青年は20歳で、ビジネススクールで同じクラス。2人の女性は近所仲間、1人の青年は単独での参加)、ドイツ人4人(2人は若いカップル、2人の女性はチェコスロバキアに近い東ドイツから来ており、同じクラスの学生)、オーストラリア人2人(パースから来た、夫が52歳の夫婦)、イギリスから2人の女性(1人はウェールズ、1人はロンドンから)、アメリカのサンフランシスコから男性1人。日本から吾人1人。合計16人のツアーだ。

 

最初の見学は、リッチフィールド(Litchfield)ナショナル・パーク内にある、シロアリが造ったアリ塚(Termite Mound)。見上げるような6m位の高さの塔になっており、ここまで大きくなるには70年ぐらい経っていると言う。でき初めて間もない物から大きな物まで、いたるところに見ることが出来る。立派な物はターマイツ・カシードラル(Termite Cathedral シロアリ大聖堂)とも言うようだ。

 

   

                アリ塚!

 

次に訪れたのは、フローレンス川(Florence creekの上流にあるブーレイ・ロックホールBuley Rockhole)。ここは河床が、丁度自然のプールに成るぐらい、えぐられていて、熱帯雨林地方の人々が汗を流すには、恰好の水遊び場である。

 

   

            ブーレイ・ロックホール−1

 

   

             ブーレイ・ロックホール−2

 

続いて、下流のフローレンス滝(Florence Fallsにある自然のプールに行った。若い人達は、待っていましたとばかり、どんどん飛び込んで行く。私はそろりそろりと、やっと肩まで入っていく。鯉とフナの中間のような魚が沢山泳いでおり、時々足を突付きに来る。最初は驚いたが慣れれば、くすぐったい程度だ。

 

   

               フローレンス滝

 

再びリッチフィールド・NPに戻り、バーベキュー会場で、ホットドッグの昼食だ。途中で山火事の跡のように黒くなった木々が見える。その黒くなった木の上に、緑の若い枝葉が茂っている。木の生命力を見る思いである。アボリジニの文化として、豊かな林を維持する為に、あえて林に火を放つ事もあるようだ。

 

   

              ホットドックの昼食

 

午後から尋ねた所は、アボリジニの集落(Aboriginal Culture Camp。アボリジニの文化を紹介してくれるアボリジニが数人居て、宗教、音楽、ダンス、絵画、手芸等を紹介してくれた。水溜りの表面を棒で叩き、ゴミを両端に寄せてバケツで水をすくう。それを口に含んで、一人一人のツアー参加者の額に吹き付けた後、御まじないを唱える。

 

   

              アボリジニ式おまじない

 

近くの草木をちぎっては、これは食用だ、これは薬用で、これに効くと説明する。2mほどの長く太いユーカリの木に、シロアリが穴を開けた、独特の楽器(ディジュリドゥDidgeridoo)を吹いて良い音を出す。「誰かやってみるか」と言うので、私が手を上げて挑戦した。最初は、トランペットを吹く要領で試みたが、うまくいかなかった。何度かやってみて分かってきたのは、「柔らかく、ソフトに息を出す」と言う事であった。強く息を吹いている間は、音は出なかった。

 

   

            ディジュリドゥを手に取ってみる

 

アボリジニの絵は赤茶・黄・白・黒の4色からなっている。その内3色は石を砕いて作り、黒色は炭から作り出す。アボリジニが描いた絵は沢山残っているが、確かにこの4色しか使っていない。

 

   

            アボリジニの絵は4色から

 

亀の甲羅は器として使う。

 

  

               亀の甲羅は器として

 

また自生している草の葉から、バスケットや敷物等を作っている。

 

   

               草の葉を編んで

 

ヨーロッパ人がオーストラリアに移住してから、アボリジニの文化を抹殺しようとする長い戦いの後で、今は「これらの文化を大事に保存しよう」と言う時代に入って来たのだろう。オーストラリアの歴史を語る時に、近年のわずかな歴史を除けばアボリジニ無しでは何も語れないのが事実だ。遅ればせながらも、アボリジニ文化の保存に気が付いたことは幸いな事だ。

 

次の場所に移動中、交通事故を目撃。情報では、「車は大破したが1人が軽症を負っただけで済んだ」と言う。片道1車線の道路で、無理な追い越しをした事が原因らしい。車にはいろんな意味で危険が潜在している。

 

本日最後の見学は、マリイ・リバー・ウエットランド(Mary River Wetlands)。船に乗って、水辺の生き物を見学するリバー・クルーズである。

 

   

               リバー・クルーズ

 

最初に見かけたのは、淡水にいる比較的小さいワニで、クロコダイルと言う。岸辺に上がって休んでいた。次にワラビー。カンガルーの小型の動物で体重が20kg程だという。

 

   

              岸辺のクロコダイル

 

そして、イーグル(鷲)。ゴルフでイーグルと言うと素晴らしいスコアだが、こうやって木に止まっているところを見ただけでも、どこか風格がある。更に、蓮華の花。何処に咲いていても美しいが、ここでも例外ではない。川とは言っても、流れているのは雨季だけで、今はどちらが川上だか分からない程、流れが止まっている。「後は次の雨季が来るまで、水深が浅くなって行くだけ」と船頭さんが言っていた。

 

   

               イーグル(鷲)

 

PM6:00に車に引き上げ、ポイント・スチュアート・ワイルドネス・ロッジPoint Stuart Wilderness Lodge)と言うキャンプ場に着いた時は、日が暮れていた。アドベンチュアー・ツアーが、車に積んできた食材を手分けして料理する。今晩のメニューは、カンガルーの肉、ソーセージ、それにサラダと食パンである。カンガルーの肉は初体験であるが、特に違和感は無かった。食事が済んだら再び手分けして後片付けだ。

 

テントには電気はないし、外は真っ暗だし、疲れてもいるし、後はシャワーを浴びて寝るだけだ。「こんなに暑い夜に寝袋はいらないでしょう」と言うと、リーダーは「ベッドの上に敷いて寝ると良いよ」と言う。寝袋をテント内のベッドに敷きながら、「丸めて枕にしても良いな」と思い、全体の半分を枕に、残りの半分を敷いて寝ることにした。

 

後は蚊の対策だ。此処カカドゥ地方は、湿地帯の為、おびただしい蚊に遭遇する。幸いリーダーが蚊取り線香を持参していた。我々日本人は小さい頃から使い慣れているが、イギリス人女性は「蚊取り線香を使った事が無い」と言って、マッチを使って火をつけるのに苦労していたので、つけてあげた。しかし現実は「蚊取り線香ぐらいで、退散してくれるような数の蚊では無い」様に思われた。

 

キャンプ場のテント内には、ベッドが2台ずつ置かれているだけで、後は何も無い。トイレ・シャワーは100mほど離れた所に共同の設備がある。宿泊は適当な相棒を探して同宿する事になる。私は、アメリカのサンフランシスコから1人で来ている男性から声を掛けられ、テントを共にする事になった。

 

   

             テント内にはベッドが2つ

 

私の方が先に寝たのだが、大きないびきで起こされた!時計を見ると、まだPM10:30だ。暫く様子を伺ったが、いびきの音量は益々大きくなってくる。背中をつついてやろうかと思ったとき、ニュージーランド旅行で買った、耳栓を持参している事を思い出した。

 

どの程度役に立つのか分からないが使ってみる事に。結果は、結構効果がありました。完全に防音出来た訳ではないが、再び眠りに入る事が出来たのである。今回のテント泊で役に立ったのは、懐中電気と耳栓だ。いずれも小さい物だが、無くてはならない物であった。

 

 

5月29日(土)

 

AM4:00頃、雨の音で目を覚ます。かなり激しく降っている。カカドゥ地方は熱帯雨林に属し、雨が多いとは聞いていたが。テントだから外の様子がもろに伝わってくる。AM5:00頃になると、トイレに行きたくなった。外は激しい雨が続いている。私は折りたたみ傘と懐中電灯を持って、100m先のトイレまで出かけた。キャンプ場は既に水浸しである。

 

   

              キャンプ場のテント

 

AM6:00、朝食。キャンプ中の朝食は、決まってシリアルと食パン。それにインスタントのコーヒー、紅茶が用意されているのを、適当にセルフサービスで。ユースホステルでの朝食も同じような物だから、このスタイルの朝食には、すっかり慣れてしまった。AM7:00、キャンプを出発する時には空は晴れて、綺麗な朝焼けまで見せてくれた。

 

   

             16人が乗った4輪駆動車

 

AM9:00カカドゥ国立公園(Kakadu NPに入る。

 

  

             カカドゥ国立公園の入り口

 

ビジター・センターVisitors Center)で、暫く休憩だ。こちらはすっかりアボリジニの世界だ。工芸・絵画等が展示されている。受付に立っている人もアボリジニだ。50頁ほどある国立公園の案内書を買おうとすると「無料ですよ」と言って呉れた。この国立公園の敷地に入るのに25ドル払っているが、それで賄われているのであろうか。自然の曲線を見事に生かして造った、木製の椅子が印象的であった。

 

   

               曲線が見事な椅子

 

AM10:00、多くの岩絵が残されているノーランジー・ロック(Nourlangie Rockに到着。ここで我々は、1.5Kmの遊歩道を歩きながら、アボリジニのロック・アートを見学する。これらはアボリジニの神話を描いたものが多いが、その内の幾つかを紹介しよう。

 

   

             ノーランジー・ロック

 

1.カンガルーへの感謝

この地域には元々ワラビーしかいなかったが、5000年前くらいにカンガルーも生息するようになった事から、それ以降のものとされる。

 

   

              カンガルーへの感謝

 

2.ナブルウィンブルウィン(Nabulwinjbulwinj

危険な神とされていて、女性を叩き殺して食べてしまうそうだ。母親が娘をここに連れてきて、「きちんと家事をするいい女性にならないと、この神様に頭を打たれて食べられてしまうよ」と教育したらしい。

 

   

             ナブルウィンブルウィン

 

3.アンバンバン・ギャラリー(Anbangbang Gallery)−1

雷男の伝説を絵にしたもの。

 

  

          アンバンバン・ギャラリー−1

 

4.アンバンバン・ギャラリー(Anbangbang Gallery)−2

ダンスの絵。人間の骨格を細い線で表現するX線画法で描かれている。

 

   

             アンバンバン・ギャラリー−2

 

人、弓矢、ワラビー(Wallaby)、ヘビ等の動物の絵が見て取れる。リーダーの説明で、その絵の背景や意味を聞きながら、洞窟や岩の間を歩いて回る。十分には聞き取れないが、1万年以上前の絵が持つ、宗教的意味を説明している時のリーダーは、口も滑らかで、ガイドの仕事を楽しんでいるように見えた。

 

ガイドは愛称をリッチと言う。正しくはリチャード(Richard42歳。「27歳までニュージーランドに居たが、稼ぎが少ないのでオーストラリアに来た。同じ仕事でもオーストラリアの方が金になるから。大工仕事から色々な事をやって来て、ガイドの仕事を始めたのは1年前からです」と言う。それにしては笑みを絶やさず、自信に満ちている。「お客さんから色々な質問が出されるので、毎日が勉強です」と言っていた。

 

   

               ガイドのリッチ

 

この地帯は湿地帯と岩場から出来ており、従って日本で見られるような急流は無い。アボリジニは、乾季には低地に降りて狩をするが、雨季には岩場に上がって生活をしていたと言う。ちなみに、アボリジニによるとカカドゥの季節は、おおよそ次のように六期に分けて考えられている。5月から10月までが乾季、11月から4月までが雨季

 

5月:          涼しいが高湿度の季節

6.7月:     寒い季節

8.9月:     熱い乾季

10.11月:   前モンスーン

12〜3月:    モンスーン

4月:          嵐の季節

 

 

その昔、この辺りの湿地帯は海であり、岩場まで海水が来ていた時もあったらしい。高台から低地を見ると、大きな火口の様にも見えるが、そうではなく、地殻の収縮によって形成された地形のようだ。

 

   

               カカドゥの湿地帯

 

AM11:45、多くの岩絵を見た我々は、一旦近くのキャンプ場(Kakadu Campに引き上げて、サンドイッチの昼食だ。食後はPM4:00の出発まで休憩になった。この後4時からは、近くの高台に行って、日没を見る事がメインになるようだ。皆はキャンプ場のプールで泳ぎを楽しんでいたが、私はパソコンを打って休息にあてる事にした。

 

   

           カカドゥ・キャンプ場で昼食の用意

 

PM4:00、キャンプ場を出発して、日没の絶景を見に行く。しかしその前に、午前中に見た所とは別の場所、ウビルー(Ubirr Rockアボリジニが描いた岩絵を見る。此処には2万年前に描かれたものから、最近の物まで色々の時代の絵が残されていた。再びガイドのリチャードが楽しそうに説明している。

 

   

               ウビルー・ロック

 

ウビルーは古代のロック・アートが多数描かれており、保存状態はノーランジー・ロック以上とも言われている。これらのロック・アートを見て回るために約1kmの遊歩道が作られているが、特に有名なのがマブユ(Mabuyuメイン・アート・ギャラリー(Main Art Gallery)である。

 

1.             漁師のマブユ(Mabuyu

マブユという漁師が漁に出た帰りに捕らえた魚を紐で結わえて引きずって歩いていた。しかし、食い意地の張った人たちに紐を切られて魚を盗まれてしまった。その夜マブユは、泥棒たちが魚を食べて洞穴でキャンプするのを待ち、洞穴に大きな蓋をして彼らを閉じこめた。翌朝、彼らは洞穴から出ることが出来ず、女も子供も男達も全員死んだ。窃盗に対する警告が描かれている。

 

   

               漁師のマブユ

 

2.             メイン・アート・ギャラリーMain Art Gallery)

 

   

             メイン・アート・ギャラリー

 

PM6:30、いよいよ日没だ。地平線にはあまり雲が無く、綺麗なサンセットが見られそうだ。ビーチでのサンセットとはまた趣が異なり、岩場の上から地平線に沈んで行く太陽を見ることは、また格別であった。どんな写真が撮れているか楽しみである。

 

   

               カカドゥのサンセット

 

PM7:00に現地を発ち、PM7:30にキャンプ場に戻って来た。早速夕食の準備に取り掛かる。今日のメニューは、マカロニとチキンをあわせて煮込んだもの。何でも煮込んでしまえば結構美味しく食べられる物だ。キャンプ場には、料理が出来るように、コンロや大きな鍋は一通り供え付けられている。

 

PM9:00に夕食を済ませ、シャワーを使いに100mほど離れたトイレ兼用の建物まで出かけた。気持ちよくシャワーを浴びて外へ出ると、近くでパソコンを開いている人がいた。「インターネットが出来るのですか」と聞くと、「インターネットは出来ません」と言う。「やっぱりこんな奥地からは無理だろうな」と思いながら、テントの方に向かったつもりが、方向が違っていたらしく、自分達のテントが見当たらない。

 

完全に方向感覚が無くなってしまった。暫くうろついていると、トイレに行き着いた。しかし其処は、自分が利用したトイレではなく、別の建物であった。幸いそこで洗濯をしているご婦人がいたので、「道に迷ってしまったのですが」と言うと「何処から来たの?」と言う。「アドベンチュアー・ツアーに参加してきたのですが」と言うと、「それなら、一番奥の方でしょう」と方角を指差してくれた。私はお礼を言ってそちらの方へ歩いていった。

 

200mほど歩くと自分が使ったトイレに戻ってきた。其処から慎重に方角を選びながら、テントを目指した。「それにしても来る時の印象と違うのだが」と思っていると、我々のグループの大きな笑い声が聞えて来た。特に東ドイツから来ている女の子Nicoleの声が良く響いている。私はその声を聞いて「助かった」と思った。こんな近い所だが、特に目印がない真っ暗な闇の中では、方向が分からなくなってしまう事を、体験させられた次第。

 

テントの夜は昨日と同じ、いびきのお兄ちゃんと一緒。蚊取り線香をたいて、寝袋を枕にして。ただ今夜はディンゴーの鳴き声が響いている。一匹が泣き出すと周りにいるディンゴーも一斉に鳴きだす。ディンゴーは柴犬に似ているが、肉食だそうだ。鳴き声は暫く続いていたが、いつまで続いていたのか、寝てしまって分からない。

 

 

5月30日(日)

 

AM5:00起床。洗顔、朝食を済ませて、AM6:30キャンプ場を出発。何処へ連れて行かれたのか、途中の4輪駆動車はまるで暴れ馬のようであった。がたがた道をフルスピードで飛ばしている。身体が飛んだかと思うと次の瞬間はお尻からドスン。頭は左右前後に激しく揺られ、鞭打ち症にならないかと心配だ。時々、浸水した道路の水を跳ね飛ばしながら走る。雨季を過ぎた今でもこの状況だから、雨季には、ぬかるみに車がはまって動けない為に、この辺りのツアーは中止になることもあるらしい。良い時に来たのかもしれない。

 

AM8:50に、ガンロム滝のキャンプ場Gunlom Falls Camp)に到着。其処から40分ほど崖道を登って行った。かなりの急斜面で、イギリス人女性は途中で動けなくなり、リーダーのサポートで後からやって来た。やがて幾つかの小さな滝Gunlom Fallsが現れた。今日はこの周りに出来た自然の池、滝壺(Plunge Poolsで水浴だ。アドベンチュアー・ツアーで青年男女が喜びそうな事は、こんな事しかないのかも。吾人は例によって腰水で終わるが、若い人達は、上の池に行ったり、下の池に来たりして大はしゃぎである。

 

   

             ガンロム滝のプールで水浴

 

そんな中で皆が一瞬緊張した時があった。リーダーが走って行ったのである。何事が起こったのか分からなかったが、後から聞いた話では、東ドイツの女性(Nicole)が、下の池に滑り落ちたのだと言う。本人は「特に怪我は無かったが、怖かった」と言っていた。いつも活発な女性だが、度が過ぎるとこんな事にもなるわけだ。

 

   

             下の池に滑り落ちる前のニコル

 

AM11:00、水浴を切り上げて、キャンプ場に下り、昼食の準備。今日のランチはラップ(wrap。ありあわせの肉や野菜を、紙のように薄く焼いたパンに包んで食べる。パンは出来合いの物を持参しているので、野菜を刻んで肉を焼けば終り。キャンプ場での食事は至極簡便だ。

 

   

             ガンロム滝のキャンプ場

 

PM12:10、昼食を終えた我々一行は、再び暴れ馬の4輪駆動車で走る。途中2度の休憩を挟んで、PM5:30に、久しぶりの(とは言ってもほんの3日ぶりであるが)ダーウィンの街に戻ってきてホッとする。大きな荷物を預けてあったホステル(Elkes Backpackers Darwin)に寄って荷物を引き取り、今夜の宿泊所Cavenagh Backpackers Hostelに行ってチェックインだ。男性だけの4人部屋。またまた、いびきのお兄ちゃん(Dan)と一緒。アメリカから来た、もう一人の青年は、「ヤフーの仕事で日本へ行ったことがあるが、今はノキアの仕事をしている」と言っていた。

 

ここは、プール脇で生演奏付きのカフェバーが、賑わっている大きなホステルである。ホステルと言うと、家族でこぢんまりと経営している宿を想像するが、此処は例外だ。PM7:30から夕食がてらパーティーを開く事になったが、その前にシャワーと、明日からのツアーに供えて、洗濯をしておきたい。シャワーが室内に有ったので、久しぶりに存分にお湯を浴びました。手際よくやったつもりだが、洗濯と乾燥に時間がかかり、パーティー会場に着いたのは、1時間遅れのPM8:30になってしまった。

 

会場には他のグループも沢山来ていて、話し声が聞えないほど、大いに盛り上がっている。吾人は、チキンロースト、ソーセージ、サンドウィッチ、サラダ、それにビールを1杯頼んだ。そして、リーダーに今回のカカドゥ・ツアーで、立ち寄った所の名称を確認した。PM9:30頃、食事が済んで一段落した所で、若い人達を残し、パースから来ていた夫婦と共に、会場から引き上げた。

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