7月24日(木)

AM5:00、起床。

AM6:00、ホテルで朝食。10ソル(370円)

AM6:30、リーダーが今回のマチュピチュ1泊旅行のチケットを配布しに来た。それは結構なことだけど、更に添付書類があって、それには、温泉用の水着、タオル、虫よけ、雨具等を持参するように書いてある。

私は、パッキングが終わって、大きなバッグはフロントに預けてしまったのに。今からパッキングをし直す事は、面倒だし時間もないので、それらは持参せずに行くことにした。注意事項は早めに教えて欲しい。リーダーのハイディは、現地ガイドの手配だけして同行はしない。

AM6:45、手配済みの車で鉄道の駅へ。すり鉢状の坂道をどんどん上り、峠を越えると風景が、がらりと変わってきた。緑の草木や雨をもたらしそうな雲が、あちこちに見られるようになってきた。

AM7:10、マチュピチュ行きの始発駅、ポロイ駅Poroy)に到着。駅構内はすでに、マチュピチュ行きの人で混雑している。

   

ポロイ駅(クスコ)

AM7:25、改札が始まる。5両編成の、前から2両目が我々の指定席だ。夫婦の席が離れ離れになっている人に、私が席を譲ることでハッピーになれる夫婦が2組あった。共に喜んでくれた。

AM7:42、列車は定刻に発車。スピードは出ていないのに、左右への揺れが大きい。列車の幅に対して線路の幅が狭く見えるのは、思い過ごしだろうか。煙を出しながら走っているのは、ジーゼル車なのか。

私のチケットにはエクスペディション(Expedition)の表示があり、上から3番目、つまり最下位ランクの指定席であった。料金は往路がUS$68、復路がUS$69と微妙に異なっていた。

AM8:45、ウトウトしていたら、コーヒーとクッキーのサービスが回ってきた。我々の列車は、上り下りを繰り返しながらも、全体としてはクスコのポロイ駅(標高3486m)から、マチュピチュ駅(標高2000m)まで、1400mも下ってくることになる。

従って、クスコからマチュピチュに来ると、高山病から解放される人が多いという。ちなみに、マチュピチュはマチュピチュ駅からシャトルバスで400m登った、標高2400の処に存在する。

この辺りは、両側にそそり立つ峡谷が深くなってきた。ウルバンバ川の流れも水量が多くなってきた。峡谷の底をウルバンバ川が流れ、崖の片側に鉄道を通している事を目の当たりにすると、難工事であったろうと思う。間もなく、向かって川の左側に鉄道、右側に車道が見えてきた。

AM9:10、列車は初めてウルバンバ川を渡り、車道のある右側を走る。列車の天窓からは、いつも峡谷の峰々が鮮やかに見えている。これも観光列車ならではのサービスであろう。

    

天窓付きの観光列車

AM9:23、唯一の途中駅である、オリャンタイタンポ駅Ollantaytambo)に停車。ここにも大きな遺跡があるので、乗降客が多い。

AM10:553時間余りの乗車で、観光列車はマチュピチュ駅Machu Picchu)に到着。駅には大勢の出迎えが集まっていた。その中に我々のツアー会社の名前を掲げた女性(ホテルの従業員)が立っていた。互いに「宜しくお願いします」と挨拶を交わして、ホテルへ向かう。

駅のホームを出た途端、お土産の民芸品店が大きな市場かと思うほど軒を並べていた。観光客相手の商売も、此処まで大規模になると、ご立派と言うしかない。


    

お土産の民芸品店

AM11:20、ホテル(Hostal Plaza Andina)にチェックイン。机もクローゼットもない狭い部屋であるが、個室をあてがわれ、熱いシャワーが出て快適である。此処は、マチュピチュ村(旧アグアス・カリエンテス)と言い、マチュピチュに最も近い村である。明日は、此処から25分間バスに乗って、標高2400mにあるマチュピチュを目指す。

    

マチュピチュ駅からホテルへ向かう

AM12:30、昼食を取りに一人で出かける。此処はマス料理が評判のようだ。私も魚なら文句はない。比較的賑わっているレストランに入り、焼きマス料理(Baked Trout)を注文。お味はグッド。久しぶりに美味しい食事にありつきました。コカ茶を含めて44ソル(1600円)。

料金はしっかり請求された。コカ茶だけで8ソル(300円)の値段が付いていた。この小さな村に世界中から、観光客が集まってきているのだから、常識が通用しないことは十分考えておかねばなるまい。

PM1:10、その地域の中心広場である、アルマス広場へ行く。中心広場と言うからそれなりに広いところをイメージしていたら、そこは空き地と言った方がぴんと来るような狭いところであった。「谷間の小さな村に、大きな広場がある訳ないでしょ」と言われそうだ。

    

アルマス広場

PM1:30、中央市場へ食料の物色に。1分も歩けば全店を見て回れるほどの規模。此処で、牛乳1パック、小粒のみかん5個、パン3個、リンゴ1個。総額9ソル(330円)。一晩の食料としては少々多めだが、これより少なくは買えない。

この後、宿泊ホテルを目指すが、例によって私の方向音痴がでてしまった。途中までは良かったのだが、どこかで逆方向に歩いてしまった。最後はお巡りさんに道順を教えてもらって無事帰着。

    

機関区(マチュピチュ)

    

マチュピチュ村

PM2:20、シャワーを浴びて、日記を書く。耳の具合が悪い。列車を降りる前から始まった。飛行機に乗ったとき、急に高度を変えた場合に生じる減少が続いているのだ。理由は分からない。飲み慣れない風邪薬の副作用か?薬の効果よりも先に副作用が発生したのかな。薬の服用を止めてみよう。

PM3:00、ポメラ・タイム。

PM9:00、就寝。

7月25日(金)

AM6:00、起床。

AM6:30、チェックアウト。小雨の中、マチュピチュ駅に近いバス停に行くと、既に大勢が並んでいた。雨ガッパのポンチョを売りに来たので購入。5ソル(190円)。シャトルバスは次々に来ては、満席にして発車していく。

    

シャトルバスを待つ長い列

AM7:10、やっとバスに乗れた。バスは此処から少し坂道を下り、そこから標高差400の、いわゆるイロハ坂を登っていく。この坂道は、発見者(アメリカの歴史学者)の名にちなんで、ハイラム・ビンガム・ロードHiram Bingham)と呼んでいる。一方はそそり立つ絶壁、片方は目の眩むような断崖の細い砂利道を、頻繁に対向車と道を譲り合いながら進む。

AM7:25、バスは終点のマチュピチュに到着。休憩所に行くと、3泊4日のインカ・トレックを敢行した若い二人が先に着いて待っていた。さすがに疲れたようだ。特に、足がパンパンに張って、階段の上り下りが辛いという。

    

インカ・トレックを敢行した若い二人

いよいよ、マチュピチュへの入場。入場口では、入場券とパスポートのチェックが行われている。毎日の入場者は3000人程だと言うが、かなり厳しくコントロールされているようだ。

AM8:00、写真でよく見る景色が見えるところに来ると、我々に付いたガイド(サンチャゴと言った)の説明が始まった。これが長いこと!雨が本格的に降ってくる中で、延々30分もしゃべっている。しかも早口の英語だから、私は殆ど聞き取れない。しゃべっていることは、解説書に書いてあることだから、後でしっかり読みます。それより早く実物の側に行きたい。

AM8:30、見学開始。残念ながら雨が降り続いている。近くの遺跡を見学するのには何も障害にならないが、遠景が雲に隠れてしまっている。絵葉書になるような写真を取りたいのに。

それにしても何の為にこんな孤立したジャングルの中にこれだけの石造りを建設したのであろうか。此処の石造りもクスコと同様、目を見張る物がある。度重なる大地震にも、殆ど無傷で存在しているのだ。

そして、ハイラム・ビンガムは、よくも此処を発見したものだ。もっとも彼が探していたのは此処ではなかったらしいが。古い書物に書かれていたわずかなヒントを元に、探し回っていたら此処を発見した。彼が探していたインカの謎の都市「ビルカバンバ」は、未だに発見されていないと言う。

カンボジアのアンコールワットにも、そのスケールの大きさに驚いたが、ここは、それに加えて、完全に下界から孤立して存在している点で更に驚きが大きい。いずれにしても、帰国したら、マチュピチュ、インカ帝国、プレ・インカの歴史について、ゆっくり学ぶ楽しみができた。

我々のグループ(7人)は、見学コースに従ってガイドの説明を聞きながら、マチュピチュの遺跡を一巡りした。

<全体の写真>

    


    

 

    

 

    

    

 

    

 

    

 

    


    

<個別の写真>

1、遺跡の出入り口
 

2、貯蔵庫
 

3、太陽の神殿と陵墓
 

4、石切り場
 

5、ミニ植物園
 

6、主神殿
 

7、真南を向く石
 

8、日時計
   

9、聖なる石
   

10、準備室
   

11、メイン広場
   

12、3つの窓の神殿
   

13、天体観測の石
   

14、コンドルの石
   

15、コンドルの神殿
   

雨は上がったがまだ霧は晴れない。我々は少々疲れを感じたので、一旦外へ出て(中では飲食も休憩もできない)、お茶にしようとなった。ところが、近くの休憩所のコーヒーは、1杯が12ソル(440円)と言われ、そんなに高いなら、下山してからにしましょうとなって、早々にバス停へ。我々は来た道を戻って行った。

AM10:45、予めガイドに指定されたレストランで休憩。思い思いにコーヒー、ピザ、ビール等を注文し歓談する。私は、カプチーノを1杯注文した。15ソル(550円)。上の茶店より高いではないか!此処でも、ガイドとレストランは連んでいることが分かる。観光地はどこも同じだ。

   

指定されたレストランへ

支払う段階になって、高額を請求され、驚いて皆一様に目をむいていた。私のリュックには、昨日、市場で購入した、パンや牛乳の残りがあったから、ここでの被害を最小限に留めることができた。

PM2:00中央市場へ行って、昨日買って美味しかった小さなみかん10個と、ピーナッツ1袋を買った。5ソル(180円)。市場の出口に来ると、数人の人が何やら気になる物を食べていた。

一旦は通り過ぎたが、暫く後にまたそこへ行って、一皿注文してみた。大粒のトウモロコシを皿一面に乗せ、その上に、大きな豚の角煮に似たものを3個と、刻み野菜を乗せたものが出てきた。美味しく食べていると、ポテトフライが揚がってきた。

   

豚とトウモロコシと

私は「角煮の1個をポテトフライに交換してくれませんか」と頼んだ。高齢のおばさんは快く聞き入れてくれた。思い切りローカルな食べ物で、客には地元の人しかいないが、大当たりでした。12ソル(440円)。時間は早いが、今日の夕食はこれでオシマイ。

PM3:15、列車の乗車駅、マチュピチュ駅に到着。クスコに帰る人が大勢集まっている。改札まで時間があったので、ポメラを叩く。

   

帰り客で賑わうマチュピチュ駅

PM4:43、指定列車が定刻に発車。この列車は、クスコまでの92kmを3時間半かけて走る。平均時速は30kmにもならない、ゆっくりしたペースである。それだけ険しい所を走っているとも言えよう。

私の隣席にはフランス人男性が着席。彼はフランスのリヨンにあるフォルクスワーゲンで企画課の仕事をしている。今回は一人で来たそうで、飛行機の運賃を安くするために、ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ経由で来たという。直行便なら12時間位で来るところを、私と同じ20時間位を掛けて来ている。

PM6:35、途中駅のオリャンタイタンポ駅に到着。我々の列車が発車しても、大勢の観光客がホームに立っていたが、25分後に来る次の列車に乗るのだろうか。車内放送では何度も「Unforgettable Journey忘れられない旅行」と言うフレーズが聞こえてくる。

PM8:35、終点であるクスコのポロイ駅に到着。出迎えの車でホテルへ直行。途中、車が大分渋滞していた。

PM9:10、ホテル着。リーダーのハイディの出迎えを受けて、チェックイン。今晩はジョシュアと同室である。

PM10:00、シャワーを浴びて就寝。

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